病気を診断し治療する西洋医学”と”こころと体をトータルとしてみる漢方医学”の両方の長所をいかした診療を目指しております。
当クリニックの漢方外来は、従来の西洋医学で研鑽をつみ、漢方医学を学んできた医師が診療をおこなっております。
病気を治すのが得意な西洋医学とこころとからだを整える漢方医学の両方の視点から診療することで、おたがいの良い面を生かし、治療できる疾患の範囲が広がり、治療効果も高まります。

漢方治療ではそれぞれの患者さまの体質や症状から判断して、お一人お一人の体質に合わせて処方を選択して治療をおこないます。

●漢方エキス剤による保険診療をおこなっております。
●土曜日を除き随時診療をおこなっております。

漢方医学とは

漢方医学は2000年以上の経験にもとづいたものです。検査などがおこなえない時代から、天然のものを使って、人々が知恵や工夫をこらして発展させてきました。ときには失敗などをくりかえし、命をおとすこともありました。そのなかで安全で、よりいろいろな患者さまに効果がみられるくすりが、現在保険で使える漢方薬として残ってきました。
そのため現在の西洋医学のように検査をして病名を診断してから治療するという方法ではなく、それぞれの患者さまの体質や症状から判断して一人一人の体質に合わせて治療をおこないます。

古代中国で始まった漢方ですが、日本には5〜6世紀ごろ導入されたといわれています。室町時代ごろまでは中国の医学（中医学）にそって診療がおこなわれていましたが、それ以降日本人の体質や気候などに合わせた漢方医学として日本独自に発展してきました。
漢方医学だけでは治療できる病気がかぎられてくるため、西洋医学もとりいれて発展してきた現在の日本では、漢方医学と西洋医学の両方の医療を用い、治療できる疾患の範囲が広がるようになりました。

西洋医学と漢方医学の特徴

漢方医学では一人一人の心とからだに合わせて治療をおこないます。一方、西洋医学では検査により診断し、その病気に合わせて治療をおこないます。

西洋薬では多くの場合、有効な成分が１つであるため、血圧を下げる・血糖値を下げるなど一つの病気や症状に対して強い効果を発揮します。
一方漢方薬は生薬とよばれる自然のもの由来の成分が数種類含まれています。そのため１つの症状だけではなく、さまざまな症状に有効になります。
たとえば「食欲が回復して、便秘もよくなった」「生理痛の治療をして、肌の調子や便通もよくなった」など１つの処方でいろいろな効果がみられるのも大きな特徴です。

漢方医学には未病といって病気になる前の体調不良を治すという概念があります。漢方医学では検査ではあらわれない体の不調も、症状や体質に合わせて治療をおこなうことができます。そのため西洋医学で対応しきれない多くの分野で漢方治療がおこなわれています。

漢方薬は体質によって処方を選択するので、同じ症状でも人により薬が異なったり、違う症状でも同じ薬になることもあります。
たとえば同じかぜの方の処方でも、その方の体力や年齢・症状によっても処方がことなります。

漢方治療ではそれぞれの患者さまの体質や症状から判断して、お一人お一人の体質に合わせて処方を選択して治療をおこないます。西洋医学とは違った視点から治療をおこなうため、体調の細かい変化が診断に重要なことがあります。
また西洋薬と併用することで、西洋薬を減らすことが期待できることもあります。

漢方医学と西洋医学、それぞれの得意なところをいかして治療をおこなっていくことが大切になります。

漢方医学が得意な病気

原因が特定できない症状や、西洋薬で対応できない症状などにも効果が期待できます。また西洋薬と併用することで、より治療効果を高めることもあります。
漢方薬は長く飲まないとなかなか効果がでないと思われますが、かぜやこむら返りなど即効性が期待できるくすりもあります。

漢方薬で効果が期待できる症状

• かぜや気管支炎、花粉症など
  かぜぐすりやアレルギーの薬で胃の調子が悪くなる、眠くなるなどで使用できない方も効果が期待できます。
  西洋薬だけでは効きが悪い方も西洋薬と併用することでより効果が高まります。
• かぜや大きな病気の後に食欲がもどらないなどなかなか体調が回復しないなど
• 胃もたれ・胃が痛い・食欲不振
• 便秘・下痢しやすい・お腹が張る・過敏性腸症候群
• 頭痛・肩こり・めまい・冷え・のぼせ
• つかれやすい・だるさ・夏ばて・気圧の変化での体調不良
• のどのつまり感・寝つきが悪い
• 更年期障害、月経不順、月経痛
  女性の症状にあわせた処方が多くあり、漢方は女性にやさしいといわれています
• ガンなど慢性の病気での疲労感・食欲低下などの体調不良など

その他ご心配なことがあればお気軽にご相談ください。