リウマチ外来

リウマチ外来

関節の痛みや関節リウマチの方の診療をおこないます。関節の痛みの症状は関節リウマチ、変形性関節症や更年期症候群による痛みなど原因はさまざまです。検査により原因を調べて治療をおこないます。
女性の方は40代から50代の更年期の時期に女性ホルモンの低下により関節が痛くなることがあります。ほかの病気がないか調べて治療を相談いたします。

当クリニックのリウマチ外来は内科、整形外科の両医師が協力しておこなっております。手術や外科的な症状がある場合など、相談しながら診療をおこないます。土曜日には現在東大病院アレルギーリウマチ内科医局員の及川光久医師が診療を担当しております。

関節リウマチでは症状がおちついても治療を続けることで症状の悪化を防ぎます。日常生活のアドバイスもおこないながら、サポートしてまいります。入局した頃より長年診療させていただいている患者さまもいらっしゃいます。

手や指の関節が腫れる、痛みがつづく、朝おきると手がこわばるなどの症状のある方、関節リウマチが心配な方はご相談ください。
火曜日(午後)・水曜日・金曜日(午前)・土曜日に診療をおこなっております。

関節リウマチとは

関節リウマチは免疫の異常がおこり、おもに手や足の関節が腫れたり、痛くなったりする病気です。初期のうちは腫れや痛みが主な症状ですが、進行すると関節が壊れて変形がおこり日常生活に支障をきたすようになります。
発症するのは30〜50歳代が多く、男性よりも女性の方が多く発症します(約4倍)。
早期に発見して適切な治療をおこなうことで、症状をコントロールして関節の破壊の進行を抑えることが大切になります。

どんな症状がでるのでしょうか

  • 関節がこわばる、特に朝起きて数十分から一時間くらい続く
  • 関節が腫れる・痛む
    特に手の指の第2関節、また付け根、手首の関節が1か所だけでなく左右対称におこる
  • 微熱が続く、だるい

関節リウマチの診断

診断には問診・触診に加え、血液検査、レントゲン検査などをおこないます。
血液検査では、リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体は重要です。いずれも関節リウマチの多くで陽性になりますが、どちらも陰性でも関節リウマチの場合や、陽性でも関節リウマチでない場合もあります。またCRPや赤沈(ESR)という炎症反応の検査も活動性の指標として重要になります。
これらの結果を元に、関節リウマチ診断の分類基準から関節リウマチの可能性を考え、総合的に判断します。

関節リウマチの治療

関節リウマチの治療は痛みを抑える治療と関節の変形を抑えるための薬による治療になります。リウマチの症状がほとんどなくなり、病気をコントロールできている状態である寛解を目標に治療をおこないます。

関節の変形を抑えるための薬である抗リウマチ薬から治療をはじめますが、効果があらわれるまで1〜3ヵ月かかるため、経過をみながら治療を続けます。
現在では抗リウマチ薬、免疫抑制剤、生物学的製剤など治療の選択肢が増え、より患者さまの生活の質を高められるようになってきました。
ご心配のある方はお気軽にご相談にいらしてください。

どのようにおこるのでしょうか

関節は関節包、骨、軟骨、滑膜という組織でできています。骨と骨の間にある軟骨はクッションの役割をしています。滑膜は潤滑油として働く関節液をつくりますが、この滑膜に炎症がおこり、滑膜が腫れるようになります。
炎症の原因はまだ根本的なことはわかっていませんが、免疫が関与していることがわかってきています。この滑膜の炎症がひどくなると軟骨や骨に入り込んで、破壊していってしまいます。

日常生活のすごし方

症状が強いときは、関節を安静にして関節を保護します。また炎症が強く熱をもっている場合などは関節を冷やすとよいでしょう。
症状が落ち着いたら、適度な運動をおこない、筋力や関節の動きを維持しましょう。運動には、関節が固まるのを予防する効果があります。

骨関節外来

骨・関節・筋肉・腱・靭帯・脊椎など運動器の症状を診療しています。
「肩がこる、張る、痛い。」「首や背中や腰が痛い。」「手や足が痛い、しびれる、動きにくい、変形している。」「関節が痛い、はれている。」「骨粗しょう症を心配している。」
このような症状の治療をおこなっております。

変形性関節症・骨粗しょう症・関節痛・筋肉痛

水曜日午後に診療をおこなっております。

ぎっくり腰、ねんざ、関節炎、打撲、寝違え、爪周囲の炎症、肋骨骨折など

急性期の症状には、内服薬や注射、またはコルセット、シーネ、テーピング等の固定により痛みを緩和することを考えます。

デスクワークによる腰痛や肩こり、パソコン使用によるひじや手指の痛みなど

慢性期の症状には、痛みをおさえる治療だけではなく、根本的な治療をめざします。
腰痛や肩こり、ひじの痛み、腱鞘炎などの生活習慣に関連した症状には痛みを和らげる治療とともに、生活上のアドバイスや、予防のための体操のアドバイスをおこないます。

肩が痛くて上がらない、正座をしたとき、運動したときや階段を下りるときに膝に痛みを感じるなど

五十肩や変形性膝関節症などの年齢による症状については、「年だから仕方がない」とあきらめず、潤滑油そして軟骨の栄養剤であるヒアルロン酸を関節内に注入し、運動療法を併用して、関節機能の若返りを目指して積極的に治療をすることがのぞましいと考えます。

手根管症候群、ばね指、変形性膝関節症、脊柱管狭窄症など

慢性疾患にはまず保存的な治療を考えます。病院で手術を勧められた方でも、手術が避けられないタイミングさえ逃さないように注意すれば、手術をせずによくなる治療法をまずいろいろ試してみるのもよいでしょう。

骨粗しょう症

骨粗しょう症が進むと背骨や太ももの骨を骨折しやすくなり、寝たきりの生活が心配されます。特に閉経期を過ぎた女性では、女性ホルモンの低下により骨密度が減少しやすくなりますので、カルシウム摂取や運動など生活習慣上の注意が必要です。
骨粗しょう症の治療薬もいろいろ開発されているので、早期に骨密度の評価をして積極的に予防的治療をおこないます。

ひざ痛でお困りの方

変形性膝関節症に対して『ヒアルロン酸注射』による治療をおこなっています。

変形性膝関節症とは

膝関節で骨と骨の接する部分には、なめらかに曲げ伸ばしができるように、また膝に重みがかかった時に衝撃を吸収するように、関節軟骨と半月板という軟骨組織が存在します。
座布団、あるいはクッションのような役割です。

軟骨組織は弾力性がありますが、年を取るとみずみずしさを失って、弾力性が低下します。しだいに軟骨組織は磨耗してすり減り、ひび割れしてクッションとしての機能を十分に果たせなくなっていきます。(これには後で述べる関節液中のヒアルロン酸の減少が影響しています。)そのため階段の下りやしゃがみ込んだとき、あるいは正座など、膝に大きな力が加わる際に耐え切れずに痛みを生じるようになります。

骨をおおった軟骨がすり減って、骨がむき出しになると、骨と骨が直接ぶつかり合うようになり、骨の変形が進んでいきます。そうなると歩くだけでも痛みが現れます。曲げ伸ばしでも痛みを感じるようになり、正座のように完全に曲げることや、まっすぐ伸ばすことができなくなります。炎症で膝に水がたまることもあります。

このように変形性膝関節症とは、加齢とともに膝の軟骨がすり減って、やがて関節が変形していく病気です。
変形性膝関節症の患者さんは年齢とともに増加しますが、特に女性に多く、男性の1.5倍から2倍多くみられます。女性の場合は50歳代で30%、60歳代で40%、70歳代では60%もの人が変形性膝関節症になると言われます。

治療法には運動療法、物理療法、装具療法、薬物療法、手術療法があります。

Q.ヒアルロン酸による治療とは

膝の関節の中は関節液で満たされています。関節液にはヒアルロン酸が豊富に含まれています。ヒアルロン酸は粘りけのある液体で、関節内で潤滑油の役割をしています。また軟骨組織の栄養分にもなります。

関節液中のヒアルロン酸は年齢とともに濃度や分子量が低下します。ヒアルロン酸が減少してくると関節液の粘りけが失われてきて、潤滑油として機能しなくなるので、関節軟骨や半月板の軟骨同士がこすれあうようになります。ちょうど油の切れた機械のような状態になり、動き始めが調子悪かったり、ミシミシこすれる音がしたり、ひっかかりを感じたりすることがあります。
さらに軟骨の栄養分でもあるヒアルロン酸が減少するので、軟骨は弾力性を失い、徐々にすり減っていくのです。

このように変形性膝関節症の進行には、関節液中のヒアルロン酸の減少が影響しています。
そこで関節の潤滑油、そして軟骨の栄養分であるヒアルロン酸を膝関節内に注入することにより、関節を滑らかにし、軟骨の修復を促すことが期待できます。

実際には週一回、ヒアルロン酸を膝関節に注射で注入し、補充を続けることで、多くの場合、特に軟骨の磨耗が少ない段階では、膝の痛みが軽くなってきます。直接痛みを抑える痛み止めの薬ではないので、すぐに効くことはありませんが、一般的に5回くらいの注射で効果が現れてきます。

痛みが軽くなって歩く苦痛がなくなれば、歩行運動をすることで軟骨に適度な負荷をかけると、老廃物が押し出され、注入したヒアルロン酸が吸収されて軟骨の新陳代謝が高まり、弾力性が改善し、痛みが抑えられ、関節の動きが改善するなどの効果があらわれてきます。

このようにヒアルロン酸による治療は単に痛みを抑えるだけの治療ではありません。運動療法を併用することで膝関節の機能の改善も期待できます。

ヒアルロン酸はもともとわたしたちの全身に存在するものです。膝関節注入でも注射針を刺す痛み以外には、何回繰り返しても副作用はほとんどありません。

ヒアルロン酸による変形性膝関節症の治療は、症状が進んでからでもある程度の効果は期待できますが、できるだけ早期の方が進行を抑えることができ、有効性も高いので、膝の痛みを感じるようになったら早めの治療をおすすめします。